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心に映る世阿弥の芸術論—風姿花伝——世阿弥 著
著者: 升潟正子1
所属機関: 1東京慈恵会医科大病院中央検査部
ページ範囲:P.450 - P.450
文献購入ページに移動 『風姿花伝』とは,観世家,金春家に秘蔵されていた,芸能についての伝書です.なんで私がこのような能の本を手にする機会を得たかといえば,さる評論家が「これは日本国民の必読書」と評していたからです.それでは,日本国民としてぜひ一度拝読しようと思いたち手にしたこの一冊が,今では私自身の必読書となっているのです.この本を読んで感じたことは,芸能に関して述べてあることが,私にはまるで人生そのものを語っているように思われてならないことでした.
この本は,おおよそ550年前に世阿弥によって書かれた,世界的な芸術論であるといわれています.第一〜第三篇までは応永七年(1400),世阿弥37歳,第四・五篇は2年後の応永九年に書かれ,第六・七篇は成立年代不明ですが,第1期の芸術論はだいたい40歳前後に書かれたといわれています(第2期芸術論を代表する『花鏡』は応永三十一年,世阿弥61歳の時書き,第3期の『却来花』は永享5年,世阿弥70歳のもの).
この本は,おおよそ550年前に世阿弥によって書かれた,世界的な芸術論であるといわれています.第一〜第三篇までは応永七年(1400),世阿弥37歳,第四・五篇は2年後の応永九年に書かれ,第六・七篇は成立年代不明ですが,第1期の芸術論はだいたい40歳前後に書かれたといわれています(第2期芸術論を代表する『花鏡』は応永三十一年,世阿弥61歳の時書き,第3期の『却来花』は永享5年,世阿弥70歳のもの).
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