文献詳細
技術講座 生理
文献概要
心音図検査の意義
医用工学の発達に伴う非侵襲的診断法の著しく進歩した今日においてさえも,聴診法は依然として循環器疾患の診断には不可欠な検査法である.特に弁膜症や先天性心疾患の診断には,極めて有用である.
しかしながら,聴診で正しく診断できるようになるにはかなりの熟練を要する.これは,人間の耳は2,000〜2,500Hzの音に対して最も敏感である1)のに対し,心音,心雑音は低音成分が主であり(心雑音としては高調である大動脈弁閉鎖不全症の灌水様雑音でさえも100〜200Hz付近に主成分を有する),しかも音量が小さくその聴き分けには熟練を要するからであり,その表現は主観的である.これを客観的に視覚的に表現したものが心音図であり,同時に心電図,脈波などを同時記録することにより,心臓の機械的現象の分析が可能となる(図1).また初心者にとっては聴診の上達に役だつ.
医用工学の発達に伴う非侵襲的診断法の著しく進歩した今日においてさえも,聴診法は依然として循環器疾患の診断には不可欠な検査法である.特に弁膜症や先天性心疾患の診断には,極めて有用である.
しかしながら,聴診で正しく診断できるようになるにはかなりの熟練を要する.これは,人間の耳は2,000〜2,500Hzの音に対して最も敏感である1)のに対し,心音,心雑音は低音成分が主であり(心雑音としては高調である大動脈弁閉鎖不全症の灌水様雑音でさえも100〜200Hz付近に主成分を有する),しかも音量が小さくその聴き分けには熟練を要するからであり,その表現は主観的である.これを客観的に視覚的に表現したものが心音図であり,同時に心電図,脈波などを同時記録することにより,心臓の機械的現象の分析が可能となる(図1).また初心者にとっては聴診の上達に役だつ.
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