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文献詳細

雑誌文献

検査と技術12巻6号

1984年06月発行

文献概要

マスターしよう基本操作

ウイルスの培養—2 鶏卵培養法

著者: 山西弘一1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所麻疹部門

ページ範囲:P.531 - P.535

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 ウイルスの培養を発育鶏卵を用いて行うようになった歴史は古い.発育鶏卵は卵殼に囲まれていて一種の無菌状態(実際はバクテリアも多少卵内に存在する)で存在するために取り扱いが容易であり,大がかりな装置の必要もなく手軽に行える.また発育鶏卵を用いるその他の利点は,目で見ながら発育鶏卵のどの部分にウイルスを接種するかを確かめてから行えることである.受精卵は通常3週間で孵化してひよことなるが,ウイルスの実験に用いられるのは7〜10日卵であり,ウイルス接種後の培養は35〜37℃で2〜7日間である.接種部位,発育鶏卵日および培養日数は,取り扱うウイルスの種類によって異なる.
 図1に発育鶏卵のモデルを示した.図のように発育鶏卵は大きく卵殼,卵殼膜,羊膜,羊水腔,漿尿膜,漿尿腔,胎児,卵黄,卵白に分けられる.通常,ウイルスの培養に用いられるのは羊膜,漿尿膜,卵黄膜であり,おのおの羊水,漿尿液,卵黄にウイルスを接種する.ウイルス材料は可能な限り雑菌の混入は避けるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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