icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術12巻9号

1984年09月発行

文献概要

アーチファクト

血液

著者: 東克己1

所属機関: 1杏林大学病院中央検査部

ページ範囲:P.825 - P.825

文献購入ページに移動
 現在,血液塗抹標本は病棟採血の場合,抗凝固剤加血液で提出されたものを一括して,引きガラス法により作製しているのが一般的である.今回,この塗抹標本作製時において,引きガラスによる細胞のキャリーオーバーについて取り上げた.
 写真1は白血球分類においては特に異常を認めていなかった患者Aである.ある日突然,矢印のような芽球様細胞を標本上に数個認めた.写真2はその拡大像である.非定型性白血病を疑い,患者の耳朶から直接標本を作製し精査したが,芽球様細胞は全く認められなかった.しかし写真3(写真4はその拡大像)に示す白血病患者Bの細胞と形態学的に非常に類似していることに気づき,受付台帳を見ると,患者B,Aの順に受け付けされていた.Bの血液が引きガラスに付着し,これが塗抹時Aに混入したものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?