文献詳細
文献概要
トピックス
プロテインC
著者: 鈴木宏治1
所属機関: 1三重大学
ページ範囲:P.843 - P.844
文献購入ページに移動カスケード反応機構の特徴の一つは反応増幅機構にあり,そこでは高分子キニノゲン,Ⅴ因子,Ⅷ因子などの補酵素が重要な役割を果たす.補酵素は,酵素と基質をその分子上に化学量論的に配置させることにより,活性化反応を著しく高める.トロンビンで活性化されたⅤa因子は血小板膜リン脂質上でⅩa因子のレセプターとして機能し,プロトロンビンの活性化をⅩa因子のみの場合に比較して数万倍も高める.同様の性質は,Ⅸa因子によるⅩ因子の活性化に関与するⅧa因子にも認められる.したがって,活性化酵素のみならず,Ⅴa因子あるいはⅧa因子などの補酵素活性の阻害も,凝固反応の制御につながる.
掲載誌情報