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文献詳細

雑誌文献

検査と技術13巻10号

1985年10月発行

検査を築いた人びと

筋生検を初めて行い,神経病学の基礎を築いた デュシェンヌ・ド・ブローニユ

著者: 酒井シヅ1

所属機関: 1順天堂大学医史学

ページ範囲:P.888 - P.888

文献概要

 筋疾患の診断と経過観察に筋生検は欠かせぬ手段であるが,それを最初に行ったのがジロム-ベンジャミン・A・デュシェンヌであり,それは1864年2月のことであった.
 デュシェンヌは,1806年フランス北部の港町ブローニュに生まれた.生家はこの土地に古くから住む漁師であったが,父親の代から船乗りになっていた.デュシェンヌは医学をパリで学び,郷里で開業した.妻を迎え,一児をもうけたが,その幸せは長くは続かなった.産褥熱で妻を失い,再婚の相手とうまくいかず,再びパリに出た.無論,理由はこれだけではかった.その頃,珍重された神経痛の電気治療をしていたとき,一つの筋肉だけが収縮する現象を見つけた.それで乏しい文献を頼りに電気刺激装置を作った.パリでそれを活用して,一仕事しようというのが彼の頭の中にあった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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