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文献詳細

雑誌文献

検査と技術13巻10号

1985年10月発行

文献概要

技術講座 血液

血液凝固検査7—凝固インヒビターの測定(1)—循環抗凝血素

著者: 中村克己1

所属機関: 1鳥取大学臨床検査医学

ページ範囲:P.911 - P.914

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循環抗凝血素とは
 血液凝固因子が活性化されても一方的に凝固が進行しないのは,生理的にあるアンチトロンビンIIIなどの凝固抑制因子(凝固インヒビターともいう)による阻止があるからであるが,この生理的な物質とは異なり,後天性に病的に発生する凝固抑制因子があって,凝固因子またはその中間産物の働きを直接阻止する.この後天性に発生する凝固抑制因子が,一般に循環抗凝血素(circulatinganticoagulants)と呼ばれているものである.この循環抗凝血素が,ある量を超えると出血傾向が起こる.
 循環抗凝血素は,血友病A,Bなどの先天性凝固因子欠乏症のみでなく,全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患,妊娠,分娩後,癌,異常蛋白血症,感染症,ある種の薬剤投与後,老齢者などにも出現し,このような場合,患者の出血傾向が凝固因子欠乏によるものか,循環抗凝血素の過剰によるものなのか,鑑別を必要とする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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