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文献詳細

雑誌文献

検査と技術13巻10号

1985年10月発行

文献概要

技術講座 生理

アナログデータの読み方1—脳波

著者: 松林賢治1

所属機関: 1虎の門病院臨床生理検査部

ページ範囲:P.921 - P.926

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 脳神経細胞の電気的活動を表している脳波は,頭皮上においては数十μV程度の微小な電位変動である.このような微小信号を導出電極を介して脳波計に導いて増幅し,記録紙上に書き出したものが脳波である.そして脳波判読者はこの記録から臨床診断に有益な情報を取り出し,日常における診療に役だてている.そのためには,判読される脳波記録が臨床に役だつ高い質を持った記録であることが重要である.すなわち,質の悪い材料からは高品質の製品ができないのと同じように,脳波信号以外の雑音(アーチファクト)が混入した質の劣る脳波記録は本来の脳波に含まれている情報を十分に検出できないばかりか,それによって判読医が誤った結果をも得るおそれがある.
 脳波記録は雑音との戦いであるとよく言われるが,脳波を記録する際にこのアーチファクトの混入をいかになくするか,またいかに処理するかは記録者にとって重大な課題である.一方,判読者にとっても記録されたデータからアーチファクトと脳波を区別し,見誤らないような知識と訓練が必要である.そのためにアーチファクトの発生原因,出現形態およびその除去対策を知ることが,脳波検査,判読の基本かつ重要なことになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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