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ブドウ球菌におけるメチシリン・セフェム耐性
著者: 生方公子1
所属機関: 1帝京大臨床病理
ページ範囲:P.1020 - P.1020
文献購入ページに移動 細菌は,その細胞壁中に,菌体を内外の浸透圧の差から守り,菌の形状を保つための網目構造,すなわちペプチドグリカン層を有しているが,ペニシリンやセフェム系薬剤(β-ラクタム剤)の作用点は,このペプチドグリカンの生合成に関与する酸素蛋白のいずれかと結合して,その酵素反応を阻害し,網目構造に未完成の部分を生ぜしめることにある.その結果,菌は外界との浸透圧の差にしだいに耐えられなくなり,ついにはその部位から溶菌して死滅する,という過程をとる.
近年,このようなβ-ラクタム剤が結合する酵素蛋白は,細菌から分離した膜成分を,14Cで標識したペニシリンGで処理し,電気泳動で分画した後,オートラジオグラフィーを行うことによって確認することができるようになってきた1).これらの蛋白をペニシリン結合蛋白質(penicillin binding protein;PBP)と呼ぶ.
近年,このようなβ-ラクタム剤が結合する酵素蛋白は,細菌から分離した膜成分を,14Cで標識したペニシリンGで処理し,電気泳動で分画した後,オートラジオグラフィーを行うことによって確認することができるようになってきた1).これらの蛋白をペニシリン結合蛋白質(penicillin binding protein;PBP)と呼ぶ.
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