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文献概要
検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
細菌の生物学的性状・2
著者: 島田俊雄1
所属機関: 1国立予防衛生研究所細菌部
ページ範囲:P.1027 - P.1030
文献購入ページに移動マロン酸利用テスト
多くの細菌は炭素原として有機酸を利用することができるが,それらが利用できる有機酸の種類は菌種または菌株によって異なる.細菌の有機酸の利用性は,その分子量と分子構造に関係し,細胞壁および細胞膜を通過しえない分子量や分子構造のものは利用することはできない.有機酸の分子構造によって菌が有機酸を選択する性質はきわめて微妙で,同一の分子構造をもつ有機酸でも立体異性のものは利用できないことがしばしばある.したがって,有機酸の利用性は菌の分類や同定の手段として用いられる.普通,菌の同定に用いられる有機酸は,マロン酸,クエン酸,酢酸および酒石酸である.それらの有機酸の利用性のテストには原則として蛋白成分を含まない合成培地が用いられる.
多くの細菌は炭素原として有機酸を利用することができるが,それらが利用できる有機酸の種類は菌種または菌株によって異なる.細菌の有機酸の利用性は,その分子量と分子構造に関係し,細胞壁および細胞膜を通過しえない分子量や分子構造のものは利用することはできない.有機酸の分子構造によって菌が有機酸を選択する性質はきわめて微妙で,同一の分子構造をもつ有機酸でも立体異性のものは利用できないことがしばしばある.したがって,有機酸の利用性は菌の分類や同定の手段として用いられる.普通,菌の同定に用いられる有機酸は,マロン酸,クエン酸,酢酸および酒石酸である.それらの有機酸の利用性のテストには原則として蛋白成分を含まない合成培地が用いられる.
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