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文献詳細

雑誌文献

検査と技術13巻2号

1985年02月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

血中薬物濃度の測定はなぜ必要か

著者: 田口文子1 宮本侃治1

所属機関: 1国立武蔵療養所神経センター代謝研究部

ページ範囲:P.139 - P.143

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血中濃度をなぜ測るのか
 薬物療法の際には臨床症状や諸検査の結果からその患者に対する適剤をまず選択し,次にその薬物が十分に作用を発現し,中毒症状を示さないように適量を決めることが必要となる.しかし,考えておかなければならないのは,薬物の種類により同一の投与量でも得られる効果に差が認められるという事実のように,各患者とその病態にそれぞれの適量があるということである.適量を決めるためには,従来行われてきた臨床的経験による試行錯誤を経た適量決定よりも,体内の目的部位における薬物濃度を測定することが望ましい.しかし目的部位の濃度測定は容易でなく,そのため血中濃度を測定することにより目的部位濃度を推測し,薬物療法を行うという方法がとられている.
 近年までは測定法の開発が濃度測定の要求に伴わなかったため,必要性を認めながらも薬物濃度測定は実際には行われていなかった.現在では測定法の進歩により血中濃度測定が薬物療法に応用されるようになり,Therapeutic Drug Monitoring(TDM)という用語が用いられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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