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文献詳細

雑誌文献

検査と技術13巻2号

1985年02月発行

文献概要

技術講座 細菌

培養検査法1—尿

著者: 横沢光博1

所属機関: 1東京共済病院中央検査科

ページ範囲:P.157 - P.161

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 臨床細菌検査室で最も多い検体は尿である.尿は尿路感染症(細菌性の腎孟腎炎,膀胱炎,尿道炎を一括した総称;図1)の診断を行ううえに極めて重要な検体である.
 尿路感染症の診断には細菌尿(常在菌によって汚染されていない尿に細菌が存在した状態)の正確な証明が極めて重要で,尿の培養によって細菌が尿1ml中に10万個以上存在したときにいちおう尿路感染症(urinary tract infection;UTI)と診断するので,尿の培養検査においては検体の採取方法と取り扱い(運搬,保存)がいちばん重要である.検体が不適当であれば,いかに優れた検査法を用いて成績を出しても全然信頼性がない.なぜなら,尿は場合によって細菌増殖の好適な液体培地であり,しかも外尿道口近位部には腎盂腎炎や膀胱炎の原因菌と同じ常在菌(表1)が存在するために,採尿方法により常在菌が混入して,病院の外来や病棟でせっかく尿を採取しても室温に放置しておくと(細菌は理論的には15分か20分で2倍に増殖する)感染菌も汚染菌も増殖して起因菌の判定ができないからである(表2).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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