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文献詳細

雑誌文献

検査と技術13巻3号

1985年03月発行

文献概要

トピックス

トロンボポエチンとMeg-CSF

著者: 河北誠1

所属機関: 1熊大第二内科

ページ範囲:P.251 - P.251

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 各種血球を一定に保つには,多能性幹細胞と呼ばれる最も幼若な細胞が主役を演じている.これは細胞分裂により自己と全く同じ細胞を作り出し,幹細胞群を常に一定に保持しながら,他方,赤血球,白血球,血小板をそれぞれ産生する前駆細胞を供給する.血小板は骨髄の巨核球というその名のとおり巨大な核を持つ大型細胞からできるが,その分化成熟は他の系統と全く異なる.すなわち,細胞分裂を伴わずにDNA合成が起こり,2倍体(2N)から6N,32N,時には64Nになるものもあり,その原形質がちぎれて血小板となる.
 抗血小板抗体投与で実験的血小板減少を起こした動物の血清に血小板増加効果がある.逆に血小板輸注で血小板産生が抑えられる.先天性血小板減少症の中に正常人血漿を投与すると,血小板が増加する例があることなどから,体液性の血小板産生調節因子が存在することは比較的古くから知られ,トロンボポエチン(thrombopoietin;TPO)といわれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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