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文献詳細

雑誌文献

検査と技術13巻4号

1985年04月発行

文献概要

技術講座 一般

胃液検査法

著者: 森賀本幸1

所属機関: 1京都大学第1内科

ページ範囲:P.361 - P.366

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 胃液検査法の歴史の始まりは,1883年にLeubeがゴム製の胃管を用いて標準食を与えたときの胃液酸度を測定したことであるとされている.その後,胃液検査法には方法論上や技術面からみて多くの変遷や進歩があったが,検査法の目的とされている『胃液を検査することによって胃液分泌機能と胃排出機能とを知ろうとすること』には変わりがない.現在までに案出されている胃液検査法には表1のようなものがある.上記の目的に沿って試験飲料を与えて胃液分泌を刺激する検査法が長らく慣用されていたが,現在では,より確実に胃液分泌機能を検査することができる強力な胃液分泌刺激剤の注射による検査法が中心となってきている.それとともに,胃排出機能の検討のためには特に胃排出率の測定が行われていて,検査法に分化が生まれてきている.
 最近では,胃液検査法の胃疾患の診断への応用の価値がX線や内視鏡の検査に比較して低下していることは否定できないが,一方で検査法によって得られた胃液分泌機能は,①胃粘膜組織像と対比する,②消化管ホルモンの血中動態との関連をみる,③胃疾患の臨床経過による変動をみる,また,④消化性潰瘍治療剤の有効性の根拠を求めるなど詳細な胃の生理や病態の追究に手段を与えるものとして注目されてきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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