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ザ・トレーニング
溶血性を示す細菌
著者: 設楽政次1 佐野純子1
所属機関: 1山梨医科大学病院検査部
ページ範囲:P.373 - P.375
文献購入ページに移動 臨床検査材料から検出される細菌には実に多くの菌種がある.これら一つ一つの細菌を同定するうえで参考になるのは,第一に検査材料の種類とグラム染色,第二に発育しうる分離培地の種類,培養温度,時間,好気・嫌気性での発育態度,炭酸ガスによる発育の増強,血液寒天培地での溶血性,第三に発育した集落の性状,グラム染色性,形態,色素産生能などであり,これらのことを参考にすることにより,同定手順の省略,時間の短縮が可能である.したがって日常細菌検査では,これらのことを十分に参考にして次の同定(生化学的性状検査,血清学的検査)に進む方法がとられている.もちろん未知菌株の正式な同定は,標準菌株を対照として検査を進めなければならない.しかし,通常臨床細菌検査では省略して実施されることもある.
今回は,血液寒天平板培地上で溶血を示す細菌についてであるが,溶血の種類にはBrown1)がレンサ球菌の分類に使用しているようにα,α'(アルファプライム),β,γ溶血の4種類がある.すなわち,集落周囲が緑色を呈するものをα溶血,不透明な溶血環の中に赤血球が残存するが緑色変化の認められないものをα'溶血,完全に透明な溶血環を示すものをβ溶血,無変化のものをγ溶血としている.血液寒天平板上で上記の溶血性を示す細菌のグラム染色性,形態から菌種の推定,同定手順について質問形式で述べることにする.
今回は,血液寒天平板培地上で溶血を示す細菌についてであるが,溶血の種類にはBrown1)がレンサ球菌の分類に使用しているようにα,α'(アルファプライム),β,γ溶血の4種類がある.すなわち,集落周囲が緑色を呈するものをα溶血,不透明な溶血環の中に赤血球が残存するが緑色変化の認められないものをα'溶血,完全に透明な溶血環を示すものをβ溶血,無変化のものをγ溶血としている.血液寒天平板上で上記の溶血性を示す細菌のグラム染色性,形態から菌種の推定,同定手順について質問形式で述べることにする.
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