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文献詳細

雑誌文献

検査と技術13巻6号

1985年06月発行

文献概要

病気のはなし

マラリア

著者: 大友弘士1 日置敦巳1

所属機関: 1岐阜大学寄生虫学

ページ範囲:P.498 - P.504

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 マラリアは,古くて新しい世界有数の伝染性疾患である.本症は紀元前5世紀にはすでにHippocratesによってその病像が詳細に記載されており,ローマ帝国やギリシャ,セイロンの古代文化の衰微と崩壊の原因にさえなったといわれるなど,測り知れない惨禍をもたらしながら人類の歴史に深くかかわってきた原虫感染症である.しかし,その病因が明らかにされたのは1881年の四日熱マラリア原虫の発見が最初で,1922年までに4種の原虫がヒトにマラリアを起こすことが知られるに至った.
 一方,マラリアは今なお熱帯・亜熱帯の常在疾患であるが,1970年代に入ると熱帯地の発展途上国の各地に激しい流行の再燃が起こり始め,その事態はいっそう深刻さを増すと同時に,欧米諸国や日本などの非流行地ではこれらの地域からの輸入マラリア症例の増加に悩まされるようになっているのが,今日の状況である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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