icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術13巻6号

1985年06月発行

文献概要

トピックス

非定型的von Willebrand病

著者: 中村克己1

所属機関: 1鳥取大学

ページ範囲:P.562 - P.562

文献購入ページに移動
 凝固第VIII因子は低分子部分に第VIII因子凝固蛋白(VIII:Cプロテイン)があり,その生物活性を第VIII因子凝固活性(VIII:C),その蛋白を第Vlll因子凝固抗原(VIII:CAg)といい,一方,高分子部分にvonWillebrand病の止血異常を是正するvon Willebrand因子(vWF)があり,リストセチン存在下で血小板凝集を起こすその生物活性をリストセチン・コファクター(VIIIR:RCo),その蛋白を第VIII因子関連抗原(VIII R:Ag)という.
 vWFはsmall,intermediate,largeの各multimerから成るが,このうち重合の進んだlarge multimerにvWFの重要な生物活性がある.このlarge multimerがリストセチン存在下で血小板膜の糖蛋白であるグリコプロテインIbに結合し,血小板相互の凝集(リストセチン凝集能,VIII R:RCo測定に応用)を起こす一方,large multimerを介して,血小板が血管内皮下組織に粘着(血小板粘着能測定に応用)するものと解されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?