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基礎実習講座
植物凝集素とその使い方
著者: 古関節子1 小松文夫1
所属機関: 1東京医科歯科大学病院輸血部
ページ範囲:P.629 - P.632
文献購入ページに移動植物凝集素は,一般に豆科植物の種子に含まれていることが多い.1888年Stillmark1)はRicinus communis(ヒマ)の種子から抽出した液がヒト赤血球を凝集することを見いだした.その後,それ以外の植物からも赤血球を凝集する物質が次々と発見された.しかし当初は,植物凝集素は単に赤血球を非特異的に凝集するにすぎないとして,あまり重要視されることはなかった.ところがその後,植物凝集素にはヒト,ヒツジ,ウサギ,モルモットやブタなど,動物の違いによって赤血球を凝集させる活性に差があることがわかり,また1949年Boydら2)は,植物凝集素は赤血球の表面特異性の違いによって異なった凝集性を示すことに気づき,植物凝集素には血液型特異性を示す物質,すなわち動物由来の抗血清と近似した性質をもつ物質があることを発見した.
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