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技術講座 血液
血液凝固検査5—血液凝固因子の測定2—抗原量測定のための免疫学的測定法
著者: 羽田雅夫1
所属機関: 1東京医科大学臨床病理学
ページ範囲:P.723 - P.728
文献購入ページに移動 前号にて欠乏血漿を基質にした凝固活性による凝固因子測定法について解説したが,今回は凝固因子を抗原量としてとらえる免疫学的測定法について述べる.
従来,凝固因子定量法の主体は凝固因子の活性機能検査であったが,近年,血液凝固学領域においても免疫学的測定法が応用されるようになった.免疫学的測定法による検討は凝固因子を分子量また分子構造の面から観察する方法であり,その免疫活性と凝固活性の両面から検討することにより,凝血学の概念に新知見が加えられてきている.例えば,凝血学的測定法では,ある因子が凝固活性を失っている場合に測定値は減少した値を示し,検体中にその因子は減少しているかのごとき成績を得るが,この検体を免疫学的方法にて測定すると正常と同様の抗原量が存在しているという.両者の測定値の相違が認められ,分子レベルでの異常が考えられる場合がある1,2).
従来,凝固因子定量法の主体は凝固因子の活性機能検査であったが,近年,血液凝固学領域においても免疫学的測定法が応用されるようになった.免疫学的測定法による検討は凝固因子を分子量また分子構造の面から観察する方法であり,その免疫活性と凝固活性の両面から検討することにより,凝血学の概念に新知見が加えられてきている.例えば,凝血学的測定法では,ある因子が凝固活性を失っている場合に測定値は減少した値を示し,検体中にその因子は減少しているかのごとき成績を得るが,この検体を免疫学的方法にて測定すると正常と同様の抗原量が存在しているという.両者の測定値の相違が認められ,分子レベルでの異常が考えられる場合がある1,2).
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