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文献詳細

雑誌文献

検査と技術13巻8号

1985年08月発行

文献概要

技術講座 細菌

培養検査法5—胆汁

著者: 吉田知孝1

所属機関: 1金沢大学病院検査部

ページ範囲:P.729 - P.734

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 胆汁は肝細胞で作られて毛細胆管に排泄され,胆管を経て総胆管から十二指腸に排泄される.肝から排泄された胆汁(肝胆汁)は淡黄色であるが,胆嚢に貯留している間に水分・電解質などが胆嚢壁から再吸収されて,5〜10倍に濃縮される(胆嚢胆汁).食物,特に脂肪性に富む食物が十二指腸に到達すると十二指腸壁の刺激により胆嚢が収縮し,濃厚な胆嚢胆汁が十二指腸内に排泄され,栄養素の吸収を助ける.十二指腸液は胆汁,膵液および固有の十二指腸液の混合物である.
 肝胆汁の排出量は1日約700〜1,000 mlにも及び,胆道に多少の細菌が存在しても0.6ml/分という正常な胆汁の流れにより十二指腸乳頭(Vater乳頭)から十二指腸へ排泄されるので,胆道感染症は起こらない.胆石,胆道癌,膵頭部の腫瘍などによる胆道閉塞が存在し,うっ滞した胆汁中で腸管内の細菌(特にグラム陰性桿菌)が増殖して胆道感染症が発症する1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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