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文献概要
検査を築いた人びと
血液学の父 ウィリアム・ヒューソン
著者: 酒井シヅ1
所属機関: 1順天堂大学医史学
ページ範囲:P.16 - P.16
文献購入ページに移動 血球の発見者はオランダのレーウェンフックであるが,血球についての生理学的,形態的に正しい知見を得た最初の人は英国のウィリアム・ヒューソン(1739〜1774)であった.彼は赤血球が扁平であること,白血球の分離,リンパ球の発見,そしてリンパ系の役割,さらに血液凝固のメカニズム解明の糸口をつけるなど今日の血液学の発端となる仕事を残したが,その生涯はわずか35年で終わった.したがって研究のために費やした歳月はわずか10年前後であったと思われる.
ヒューソンはノーサンバーランドに住む評判の良い外科医兼薬剤師の息子に生まれたが,11人兄妹のために中学を出ると直ちに父親の見習いとなり,仕事の手ほどきを受け,20歳のとき,ロンドンで有名なハンター兄弟の解剖公開講座を受けるために上京した.そこで彼自身もまた,先生であるW・ハンターも彼が解剖学者として素質のあることに気づき,助手になることを求められた.そのため,当代の最高の解剖学者であるモンローについて1年間みっちり解剖学を勉強するためにエジンバラに行かされた.
ヒューソンはノーサンバーランドに住む評判の良い外科医兼薬剤師の息子に生まれたが,11人兄妹のために中学を出ると直ちに父親の見習いとなり,仕事の手ほどきを受け,20歳のとき,ロンドンで有名なハンター兄弟の解剖公開講座を受けるために上京した.そこで彼自身もまた,先生であるW・ハンターも彼が解剖学者として素質のあることに気づき,助手になることを求められた.そのため,当代の最高の解剖学者であるモンローについて1年間みっちり解剖学を勉強するためにエジンバラに行かされた.
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