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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻1号

1986年01月発行

文献概要

検査を築いた人びと

血液学の父 ウィリアム・ヒューソン

著者: 酒井シヅ1

所属機関: 1順天堂大学医史学

ページ範囲:P.16 - P.16

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 血球の発見者はオランダのレーウェンフックであるが,血球についての生理学的,形態的に正しい知見を得た最初の人は英国のウィリアム・ヒューソン(1739〜1774)であった.彼は赤血球が扁平であること,白血球の分離,リンパ球の発見,そしてリンパ系の役割,さらに血液凝固のメカニズム解明の糸口をつけるなど今日の血液学の発端となる仕事を残したが,その生涯はわずか35年で終わった.したがって研究のために費やした歳月はわずか10年前後であったと思われる.
 ヒューソンはノーサンバーランドに住む評判の良い外科医兼薬剤師の息子に生まれたが,11人兄妹のために中学を出ると直ちに父親の見習いとなり,仕事の手ほどきを受け,20歳のとき,ロンドンで有名なハンター兄弟の解剖公開講座を受けるために上京した.そこで彼自身もまた,先生であるW・ハンターも彼が解剖学者として素質のあることに気づき,助手になることを求められた.そのため,当代の最高の解剖学者であるモンローについて1年間みっちり解剖学を勉強するためにエジンバラに行かされた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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