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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻10号

1986年09月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

血小板寿命

著者: 内田立身1 油井徳雄1

所属機関: 1福島県立医科大学第一内科

ページ範囲:P.1056 - P.1060

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血小板寿命測定の意義
 血液細胞は一定の寿命をもって血管内を循環している.健康成人の赤血球は500万/μlでその寿命は120日であるから,1日当たり42,000/μl個の赤血球が生成され崩壊されて一定の血球数を保っている.好中球は末梢血5,000/μlのほか血管壁に約5,000/μlの細胞があり,計約10,000/μlの細胞が10時間の滞在期間で循環し,血小板約30万/μlは10日の寿命で循環する.このように血液細胞は末梢血に1μl当たり500万から数千までの範囲で存在しているが,1日当たり入れ替わる血球数は1〜4万/μlとほぼ一定している(表1).
 血小板は止血に関係するので,その減少は出血傾向を,増加は血栓形成傾向をきたすが,減少・増加の機序には血管内寿命(血小板寿命)とその交替率が関係している.すなわち,血小板寿命が短いか,1日当たりの生成量が少なければ血小板数は減少してくることになる.アイソトープを用いた血小板寿命の測定は,血小板寿命と1日当たり交替率が計算できるので血小板減少幅増加の機序を明らかにすることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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