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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻10号

1986年09月発行

技術講座 生化学

血清フェリチンの測定法

著者: 浅川英男1 松嵜貴子2 森亘3

所属機関: 1東京理科大学(薬学部)臨床病態学 2北里大学衛生学部血清学教室 3東京大学

ページ範囲:P.1061 - P.1065

文献概要

 フェリチンは肝,脾,骨髄などに多く分布する蛋白で,生体内における鉄貯蔵の役割を担っている.これらの組織から遊離した血清フェリチンの値は体内の鉄貯蔵量をよく反映して増減するため,種々の貧血や鉄過剰症などの鉄代謝異常の鑑別診断に有用であり,従来鉄代謝の指標として用いられてきた血清鉄,総鉄結合能(TIBC),その他の検査項目と並んで重要である.また血清フェリチンは炎症や腫瘍の侵襲によって組織が破壊されるとき,細胞から逸脱して増加するため,病態を把握する手がかりともなりうる.さらに各種悪性腫瘍患者においては,上記に加え腫瘍細胞自身の産生するフェリチンのため,血清フェリチン値がしばしば上昇することから腫瘍マーカーとして,あるいは治療のモニターとして注目され広く応用されつつある.
 以下に検査室で行いうる血清フェリチンの測定法について概略を述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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