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技術講座 血清
緒方法
著者: 松永欣也1
所属機関: 1大阪府立万代診療所
ページ範囲:P.1083 - P.1089
文献購入ページに移動この梅毒の脂質抗原による検査法のうち緒方法は,今世紀の初めに創案されたワッセルマン反応の伝統を引く補体結合反応に基づき1949年に緒方,徳永らにより抗原減量法を応用して創案された方法で,抗原と抗体の最適比を最も端的にとらえることができるよう工夫されていることが特長である.したがって,鋭敏度にも優れ,厚生省監修『微生物必携』に収載されている,我が国を代表する梅毒検査法である.しかし,この優れた方法も赤血球や補体などの生材料を使用するため,これらの供給と管理体制が難しいことや,その操作が煩雑で時間がかかること,かなり厳重に調整しないとよい成績を得ることができないことなどの理由でその実施が敬遠される傾向にある.それでも臨床医家の間では,いまだにワッセルマン反応に対する信頼は厚く,その成績を求められることが多い.一方,免疫血清学の基本技術としての補体結合反応は大切で,その修練の場として緒方法を実施することが最も適している.
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