文献詳細
検査を築いた人びと
文献概要
子宮頸癌の診断法としてJ.N.パパニコロウ(1883〜1962)が開発した方法が,今日の細胞診断学の基礎となったことは,広く知られている.無論,パパニコロウ以前にも痰の中に癌細胞を見つけて咽頭癌の診断をしたベール(1867)や,帯下の中に癌細胞を見つけたフリードレンダー(1885)がいたが,それらは細胞診という日常的な検査法に発展しなかった.
パパニコロウの場合も1928年,腟内容物の塗抹標本(パプ染色)を鏡検して,癌細胞を見つけ,癌診断に活用できることを最初に報告したときには,誰もその報告が今日の細胞診のように役だつものになるとは考えなかった.彼のこの貴重な報告に臨床家の目が届かなかったのである.ところが1939年,婦人科医H.トロートと共著で『腟内容による子宮癌の診断法』を出版するや,その有用性が認められ,一挙に普及したのであった.
パパニコロウの場合も1928年,腟内容物の塗抹標本(パプ染色)を鏡検して,癌細胞を見つけ,癌診断に活用できることを最初に報告したときには,誰もその報告が今日の細胞診のように役だつものになるとは考えなかった.彼のこの貴重な報告に臨床家の目が届かなかったのである.ところが1939年,婦人科医H.トロートと共著で『腟内容による子宮癌の診断法』を出版するや,その有用性が認められ,一挙に普及したのであった.
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