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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻11号

1986年10月発行

文献概要

技術講座 血液

血小板機能検査法2—凝集能

著者: 山本正雅1 山崎博男2

所属機関: 1東京都臨床医学総合研究所循環器病研究部 2東京都臨床医学総合研究所

ページ範囲:P.1165 - P.1170

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 血管に傷がつくと,その部分に直ちに血小板は粘着・凝集する.これが出血に対する最も早期の反応である.血小板内部には一定の反応が進行する.これを活性化と呼ぶ.血小板の機能が低下すると出血性病態が生じ,反対に機能が亢進すると血栓形成に傾くと考えられている.そこで血小板の機能状態を把握することは,臨床医学において極めて重要である.
 血小板機能検査としては粘着能検査と凝集能検査が繁用されるが,粘着能に比して凝集能の測定は比較的再現性もよく,最も広く行われている.この検査は,先天性血小板機能異常症の血小板無力症などの凝集能が欠如したり低下したりしている血小板でははっきりとした成績を示すが,血小板機能が亢進している場合,特にその定量的表現に問題がある.血小板機能は健常者でのバラツキが多く,その値も各研究室間でかなり異なっている場合がある.このため各研究室で自分たちの正常値をもち,これと比較して結論を出すことが必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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