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文献概要
ヘマトキシリンは,中央アメリカを中心とした地域に生育しているマメ科の植物(蘇方木,Hematoxylon canpechianum)の幹のエーテル抽出物から得られる無色結晶体である.
生物学者であったWaldeyerは,1863年に細胞核の観察に初めてヘマトキシリンを用いたが,よい結果は得られなかった.しかし,1865年,Böhmerはこれを媒染剤とともに使用することにより,良好な核染色を得ることに成功した.その後,ヘマトキシリン液は改良が加えられ,1891〜1903年になるとMayerやHarrisによって,それぞれ組成や製法の異なるものが報告された.Mayerのヘマトキシリンは現在も病理組織標本のヘマトキシリン・エオジン(HE)染色に,またHarrisのヘマトキシリンは最近まで細胞診標本のPapani-colaou染色にと,常におのおのの分野において不動のものとして扱われてきた.
生物学者であったWaldeyerは,1863年に細胞核の観察に初めてヘマトキシリンを用いたが,よい結果は得られなかった.しかし,1865年,Böhmerはこれを媒染剤とともに使用することにより,良好な核染色を得ることに成功した.その後,ヘマトキシリン液は改良が加えられ,1891〜1903年になるとMayerやHarrisによって,それぞれ組成や製法の異なるものが報告された.Mayerのヘマトキシリンは現在も病理組織標本のヘマトキシリン・エオジン(HE)染色に,またHarrisのヘマトキシリンは最近まで細胞診標本のPapani-colaou染色にと,常におのおのの分野において不動のものとして扱われてきた.
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