icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻11号

1986年10月発行

文献概要

検査ファイル 試薬

Gillのヘマトキシリン

著者: 椎名義雄1

所属機関: 1杏林大学保健学部細胞診断学教室

ページ範囲:P.1196 - P.1197

文献購入ページに移動
 ヘマトキシリンは,中央アメリカを中心とした地域に生育しているマメ科の植物(蘇方木,Hematoxylon canpechianum)の幹のエーテル抽出物から得られる無色結晶体である.
 生物学者であったWaldeyerは,1863年に細胞核の観察に初めてヘマトキシリンを用いたが,よい結果は得られなかった.しかし,1865年,Böhmerはこれを媒染剤とともに使用することにより,良好な核染色を得ることに成功した.その後,ヘマトキシリン液は改良が加えられ,1891〜1903年になるとMayerやHarrisによって,それぞれ組成や製法の異なるものが報告された.Mayerのヘマトキシリンは現在も病理組織標本のヘマトキシリン・エオジン(HE)染色に,またHarrisのヘマトキシリンは最近まで細胞診標本のPapani-colaou染色にと,常におのおのの分野において不動のものとして扱われてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?