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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻11号

1986年10月発行

文献概要

検査技師のためのME講座 計測器・5

高速液体クロマトグラフィー

著者: 藤田登美雄1

所属機関: 1(株)島津製作所応用技術部京都臨床分析センター

ページ範囲:P.1201 - P.1204

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 クロマトグラフィーの定義は「固定相と移動相の二つの場において,試料成分間の両相への相互作用の違いを利用して分離させる方法」であるとされ,1907年M. S. Twettにより命名されてから今日まで,複雑な共存物を含んでいる混合試料中の多成分をそれぞれ別々に分離させるための有力な手法として,精製や定量に利用されてきた.その中でも,移動相に液体を用いる液体クロマトグラフィーは,温和な条件下での分離ができることから生体成分によくみられる分解されやすい試料に適している.液体クロマトグラフィーが臨床検査において利用されてきた代表的なものとして,アミノ酸分析計があり,1958年にW. H. Stein,S. Mooreらによるアミノ酸分析計が出されて以来,数多くの改良がなされ,自動化と高感度化,測定のスピードアップが達成されてきた.この中で,古典的な液体クロマトグラフィーであるカラムクロマトグラフィーや薄層クロマトグラフィーに比較して,測定時間を短縮するため,ポンプにより移動相液を強制的に送ることによって増し,しかも分離能も高くした高速液体クロマトグラフィー(以下,HPLCと略す)が,1969年にJ. J. Kirklandらにより創出された.
 HPLCの基本構成は,図1の流路図に示すようなものとなる.特徴は,サンプリングからカラムで分離されて,そのままオンフローで検出され定量できることであり,多数検体を次々に処理ができ,自動化を容易にするシステムが組めることである.ここでは,各部の役割とその取り扱い方について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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