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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻11号

1986年10月発行

文献概要

Letter from Abroad 海外で活躍する日本の検査技師

医師への道もある検査技師—フィリピン3

著者: 海浪武志1

所属機関: 1(財)東京都予防医学協会検査研究部

ページ範囲:P.1214 - P.1215

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■義務教育は6年間だけれど……
 学校教育制度をみるとフィリピンの子供たちは6〜7歳で小学校に入り,6年間の義務教育を受ける.小学校卒業後,日本の中学と高校を合わせた年限より2年少ない4年間のハイスクール(こちらではこう呼ばれる),大学は学部や学科により修業年限はまちまちで,助産婦コースの2年から医学部や法学部の9年まであり,臨床検査技師や看護婦のコースは4年である.この国においては,技師や看護婦がさらに5年間勉強を続ければ医師になれる道が開かれている.助産婦と看護婦の修業年限の違いから,日本と異なり助産婦は看護婦の指揮監督を受けることになる.
 寄生虫予防を通した衛生教育のため数多くの小学校を訪れて気づいたことであるが,同学年でも児童の年齢に差があるということである.この主な理由は,家庭の経済事情により休学せざるをえないことによる.私が会った児童の中に3年生で15歳,6年生で16歳という子(?)がいた.日本にも貧富の差はあるが,現地のそれは日本とは全く比較できないほど大きい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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