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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻12号

1986年11月発行

文献概要

検査を築いた人びと

反射の基礎となるシナップスを提言した チャールズ・シェリントン

著者: 深瀬泰旦1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学医史学

ページ範囲:P.1240 - P.1240

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 神経細胞が解剖学的な基本単位であると同時に,反射弓は神経系の基礎的な生理学的単位である.このような認識に基づいて,行動のさいの反射の役割に注目し,その意義を見直したのが,シェリントンである.反射を中心とした神経生理学に生涯の情熱を燃やしつづけたシェリントンによって,神経生理学の一般概念は一変してしまった.
 チャールズ・シェリントンは1857年11月27日,ロンドンで生まれた.幼くして父を失い,母はイプスウィッチの医師カレブ・ローズ・ジュニアと再婚した.ローズは豊かな教養を身につけた医師であり,古典学者,考古学者としても有名であった.そのためこのローズ家には多くの芸術家や学者が出入りしており,後年シェリントンが科学をはじめ,哲学や歴史などに広く興味を抱くようになるうえで大きな力となった.ケンブリッジ大学とセント・トーマス病院で医学を学んだが,ケンブリッジではマイケル・フォスターの生理学研究室に学んだこともある.1885年ここを卒業して,医師の資格を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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