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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻12号

1986年11月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

波形と細胞1—心臓の生理 心筋細胞の膜電位

著者: 伊東盛夫1

所属機関: 1大分医科大学検査部

ページ範囲:P.1241 - P.1245

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 心臓の生理的機能は,体表面から心電図として記録される電気的活動と,収縮と拡張を繰り返すことによって血液を拍出する機械的活動である.このような活動の根元は,心臓を構成する直径10μmの心筋細胞の生物学的機能である.すなわち,心筋細胞の興奮は,細胞膜の電気現象であり,膜を通じてNaイオン,Kイオン,Caイオンなどが出入りして活動電流が生じる.この電流は,主として心筋内を流れるが,一部は心臓周囲組織にも流れて体全体に電位差を生じる.この電位差を体表面から測定したものが心電図である.一方,心筋細胞における活動電位の発生は,Caイオンの細胞内流入を伴い,これが収縮を引き起こす.したがって,心筋細胞の膜電位に関する知識は,心電図の理解のために必要であることはいうまでもないが,心収縮性の検査や心臓病の臨床の理解のためにも重要である.
 そこで,本稿においては,心臓における電気的興奮の発生とその伝播,心臓各部の心筋細胞の活動電位の特徴,および細胞内活動電位のイオン機構について解説し,心電図のより深い理解の一助としたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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