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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻12号

1986年11月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

マクロファージの機能—肺胞マクロファージを中心として

著者: 大島駿作1 茆原順一1 黒住眞史2

所属機関: 1京都大学結核胸部疾患研究所内科学第2部門 2京都大学結核胸部疾患研究所臨床検査部

ページ範囲:P.1246 - P.1250

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 1892年Metchnikoffは,哺乳類の食細胞を分類するに当たって,急性炎症の際,食菌に当たるミクロファージ(好中球)に対して,慢性炎症巣に出現する食細胞をマクロファージと命名した.この名称は後世に引き継がれ,現在では細網内皮系に属する大型の食細胞の名称として使用されている.このマクロファージは生体内各所に分布し,形態は多様であるが,起源は主として骨髄に由来すると考えられている1)
 マクロファージの機能に関しては古くから貪食能と遊走能を有することが知られていて,異物を除去し,殺菌を行うことから,感染防御に重要な細胞として位置づけられていた.しかし,最近になって,マクロファージは免疫反応のエフェクター細胞やアクセソリー細胞としての免疫担当機能を有し,種々の酵素やモノカインを産生し,モノクローナル抗体によっていくつかのサブセットに分けることができ,肉芽腫形成に関与するとともに肺線維化の原因となる組織傷害を起こすことが,しだいに明らかになってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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