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ECGのマッピング
著者: 久保田功1
所属機関: 1山形大第一内科
ページ範囲:P.1310 - P.1310
文献購入ページに移動データの解析法として従来から用いられてきた方法は,等電位図(isopotential map)表現である.これは,ある瞬時における各誘導点の電位をもとにして,等しい電位の点を結び等電位線を作成したものである.一心周期に関し,等電位図を経時的に観察することにより,心臓の興奮伝播,消退過程を推定し得る.マッピングが心疾患の新しい診断法として注目されるようになったのは,Taccardiら(1962,1963)の報告からである.彼らは人体およびイヌにおいて用手的に等電位図を作成し,QRSのある時期に複数の極大および極小電位を認めた.これらの複数の極大,極小は,心臓内の複数の独立した双極子成分が体表面上の対応する領域に影響を及ぼして(proximity potentials)出現したと考えられる.したがって,彼らは,等電位図は心起電力を固定した単一双極子とみなすベクトル心電図や誘導点の少ない標準12誘導心電図では,得難い情報を有することを強調した.
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