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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻12号

1986年11月発行

文献概要

りんりんダイヤル

高脂血症と凝固検査

著者: 本射滋己1

所属機関: 1大阪大学病院中検

ページ範囲:P.1315 - P.1315

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問 凝固検査の依頼があり,血漿分離をすると血漿が白く濁った高脂血漿の検体がよくあります.それらは凝固検査(PT,PTT)に影響するのでしょうか.(北海道 A生)
答 血液中の脂質はいずれもアポ蛋白と結合し可溶化していますが,その構成は極めて複雑で,かつ不均一な構造を示します.これら脂質の血中濃度が著しく高値を呈した場合を高脂血症といいますが,これは食後に生じる一過性のものと,本態性および二次性の高脂血症に区別されます.前者は摂取された食事内容により血中の脂質の種類と量は変化し,乳濁の程度も異なります.また,後者はアポ蛋白を含めた代謝異常が基盤となっているため,増加するリポ蛋白の種類は病型により異なります.したがって,凝固検査に対する血漿リポ蛋白の影響については,両者とも含まれる脂質の種類と量,血中循環期間,さらに病的な場合では病型と病状により大いに差異が生じると予測されます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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