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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻13号

1986年12月発行

文献概要

技術講座 生化学

アルブミンの定量法

著者: 芝紀代子1 村上恵美子2

所属機関: 1東京医科歯科大学検査部 2東京医科歯科大学病院検査部

ページ範囲:P.1345 - P.1349

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直接的な定量法の変遷
 アルブミンだけを特異的に定量することができるようになったのは,1953年Brackenらがメチルオレンジを用いた色素結合法を報告したことに始まる.色素結合法は,溶液のpH変化がなくても蛋白によりpH指示薬の色調が変化する.すなわち,蛋白誤差を利用してアルブミンを測定する方法である.
 メチルオレンジに始まり,以後アゾ色素のHABCA(ハブカまたはハバ),フタレイン型色素のフェノールレッド,BCG(ブロムクレゾールグリーン),BCP(ブロムクレゾールパープル)を用いる方法が相次いで報告された(表1).このうちDoumas1)らの報告したBCG改良法(1971)が急速な勢いで普及し,今日でもDoumasらの方法に基づく測定が大半を占めている.しかしながら,アルブミンに特異性が高いと評価されているBCGも実は急性相反応物質とも反応することが指摘され,より特異性が高いBCP法を採用すべきという議論もわき起こり,BCG法で定着した観があったアルブミン定量法も再び物議をかもしだしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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