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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻13号

1986年12月発行

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トピックス

インターロイキン2の測定意義

著者: 片岡茂樹1

所属機関: 1公立築館病院内科

ページ範囲:P.1382 - P.1382

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 インターロイキン2(IL-2)はT細胞の増殖を促進するリンホカインとして,1976年に初めて報告された.当初はT細胞増殖因子(T cell growth factor;TCGF)といった.その後,thymocyte mitogenic factor(TMF)やkiller cell helper factor(KHF)など,TCGFと同じ活性を有するリンホカインが相次いで報告され,さらにこれらは物理化学的にも同一物質であることが確認された.そこでこれらは,1979年にIL-2の名称で統一された.インターロイキンとは白血球間の相互作用を営む物質という意味である.
 IL-2産生細胞はヒトでは主にヘルパーT細胞(TH)である.また,natural killer細胞(NK)が属するlarge granular lymphocyte(LGL)もIL-2を産生する.Con A,PHAなどのマイトジェンやアロ抗原でTリンパ球を刺激培養すると,その上清にIL-2が得られる.この際,活性マクロファージかマクロファージの産生するIL-1の存在が必要である.現在は遺伝子工学的にIL-2を量産できるようになっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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