文献詳細
文献概要
検査ファイル 項目
ヘマトキシリン・エオジン染色
著者: 畠山重春1
所属機関: 1板橋中央総合病院・研究所病理
ページ範囲:P.1386 - P.1387
文献購入ページに移動 ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色は,組織の特定構造を見いだそうとするものではなく,組織構造全体の把握を目的とする.本法はヘマトキシリンにより核を青紫色調に,エオジンで赤血球,結合組織成分を濃淡のある燈赤色調に染別する.
ヘマトキシリン染色は1865年,Böhmerにより実用化されたのに端を発する.対比染色にエオジンなどが使用され,いわれるHE染色として確立したのは1880年から1890年代にかけてである.以来,約100年になるが,まだ本法に代わる一般染色法はなく,組織検査の第一歩はHE染色の習得に始まるといえる.なお,PAM(periodic acid methenamine silver:腎糸球体染色),LFB(luxol fast blue:髄鞘染色),ビクトリア青(弾性線維,HBs抗原)などの特殊染色とも重染可能である.さらに,組織像と対比しやすいとの理由から,細胞診材料にも,病理医によってはHE染色を望む場合がある(特に穿刺吸引材料).すなわち,本染色の応用域は,ますます広がっていると解することができよう.
ヘマトキシリン染色は1865年,Böhmerにより実用化されたのに端を発する.対比染色にエオジンなどが使用され,いわれるHE染色として確立したのは1880年から1890年代にかけてである.以来,約100年になるが,まだ本法に代わる一般染色法はなく,組織検査の第一歩はHE染色の習得に始まるといえる.なお,PAM(periodic acid methenamine silver:腎糸球体染色),LFB(luxol fast blue:髄鞘染色),ビクトリア青(弾性線維,HBs抗原)などの特殊染色とも重染可能である.さらに,組織像と対比しやすいとの理由から,細胞診材料にも,病理医によってはHE染色を望む場合がある(特に穿刺吸引材料).すなわち,本染色の応用域は,ますます広がっていると解することができよう.
掲載誌情報