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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻13号

1986年12月発行

文献概要

検査ファイル 項目

ヘマトキシリン・エオジン染色

著者: 畠山重春1

所属機関: 1板橋中央総合病院・研究所病理

ページ範囲:P.1386 - P.1387

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 ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色は,組織の特定構造を見いだそうとするものではなく,組織構造全体の把握を目的とする.本法はヘマトキシリンにより核を青紫色調に,エオジンで赤血球,結合組織成分を濃淡のある燈赤色調に染別する.
 ヘマトキシリン染色は1865年,Böhmerにより実用化されたのに端を発する.対比染色にエオジンなどが使用され,いわれるHE染色として確立したのは1880年から1890年代にかけてである.以来,約100年になるが,まだ本法に代わる一般染色法はなく,組織検査の第一歩はHE染色の習得に始まるといえる.なお,PAM(periodic acid methenamine silver:腎糸球体染色),LFB(luxol fast blue:髄鞘染色),ビクトリア青(弾性線維,HBs抗原)などの特殊染色とも重染可能である.さらに,組織像と対比しやすいとの理由から,細胞診材料にも,病理医によってはHE染色を望む場合がある(特に穿刺吸引材料).すなわち,本染色の応用域は,ますます広がっていると解することができよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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