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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻13号

1986年12月発行

文献概要

検査技師のためのME講座 計測器・7

マススペクトロメトリー

著者: 北野博司1 片山善章1

所属機関: 1国立循環器病センター臨床検査部

ページ範囲:P.1397 - P.1400

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 日常の臨床検査において私たちは,患者に由来する尿,便,血液などからさまざまな物質を見つけだしたり,また,それを定量的に測定したりする.では,いったい目的とする物質のどのような特徴や性質を,手がかりとしているのだろうか.例えば,酵素反応を利用した測定法では酵素の基質特異性を利用しているし,免疫反応を利用した測定法では抗原抗体反応の特異性を利用している.有機溶媒などを用いた抽出法では,その物質の構造に由来する極性を利用している.
 マススペクトロメトリーは,その物質のもつ化学的に,また物理学的に最も基本的な分子式や分子量に着目し,定性定量を行う分析法である.またマススペクトルからは,その物質についての構造の手がかりも得られるのである.逆に構造の明らかな物質については,そのマススペクトルを利用して10-9〜10-12gという極微量の定量分析も可能である.現在の分離分析において最も信頼性の高い方法の一つであるといわれるゆえんである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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