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病気のはなし
アルドステロン症
著者: 河野剛1
所属機関: 1京都大学第二内科
ページ範囲:P.120 - P.126
文献購入ページに移動アルドステロンは図1に示すように,腎の遠位尿細管のイオン交換部位に働いて,Na+の再吸収を促進し,これと交換にK+とH+の尿中への排泄を促進する作用をもつ.したがって,アルドステロンの分泌が過剰になると,体内にNaが貯留して高血圧ないし浮腫をもたらし,一方,Kが体外に喪失して,低K血症を起こす.細胞内から主要陽イオンであるK+が喪失すると,細胞の電気的中性を回復するために,代わりの陽イオンとして細胞外液中のNa+とH+が細胞内に移入させられる.この細胞外液から細胞内液へのH+の移動によって,図2に示すように細胞内アシドーシスと細胞外アルカローシスが起こり,動脈血のpHと動脈血漿HCO-3は上昇する.この代謝性アルカローシスは血清中のイオン化Caの減少をもたらし,テタニーの原因となる.
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