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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻2号

1986年02月発行

文献概要

病気のはなし

アルドステロン症

著者: 河野剛1

所属機関: 1京都大学第二内科

ページ範囲:P.120 - P.126

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 アルドステロン症とは,副腎皮質の最も外側にある球状層から分泌されるアルドステロンというホルモンが過剰に出るために起こる病気のことで,高アルドステロン症またはアルドステロン分泌過剰症とも呼ばれる.
 アルドステロンは図1に示すように,腎の遠位尿細管のイオン交換部位に働いて,Naの再吸収を促進し,これと交換にKとHの尿中への排泄を促進する作用をもつ.したがって,アルドステロンの分泌が過剰になると,体内にNaが貯留して高血圧ないし浮腫をもたらし,一方,Kが体外に喪失して,低K血症を起こす.細胞内から主要陽イオンであるKが喪失すると,細胞の電気的中性を回復するために,代わりの陽イオンとして細胞外液中のNaとHが細胞内に移入させられる.この細胞外液から細胞内液へのHの移動によって,図2に示すように細胞内アシドーシスと細胞外アルカローシスが起こり,動脈血のpHと動脈血漿HCO3は上昇する.この代謝性アルカローシスは血清中のイオン化Caの減少をもたらし,テタニーの原因となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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