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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻2号

1986年02月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

白血球分類におけるペルオキシダーゼ反応

著者: 柴田昭1 小池正1

所属機関: 1新潟大学第一内科

ページ範囲:P.131 - P.133

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 オキシダーゼとペルオキシダーゼは両者ともハイドロキナーゼに属し,酵素組織化学では最も古い歴史を持つ.この両酵素はほぼ平行して変動するので,現在では安価かつ施行容易なペルオキシダーゼ反応がもっぱら一般に用いられている.
 ペルオキシダーゼは過酸化水素または他の有機性過酸化物から活性の酸素を遊離して種々の物質を酸化させる酵素で,1918年Grahamにより初めて血液学の領域に導入された.次いで我が国の佐藤および関屋は血球ペルオキシダーゼ反応として硫酸銅法を用いる優れた方法を考案した1).これまでの方法はほとんどが,基質としてベンチジンを用いるものであった.しかし,ベンチジンは発癌性があるとの理由から,各国で発売が禁止されている現状であるため,これに代わる方法が模索されている.筆者らは,国際血液学標準化委員会(ICSH)の委員として数年来この問題に取り組み,最近いちおうの結論を得てこれを公表した.関心をお持ちの方は文献2)を参照していただきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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