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技術講座 生化学
アデノシンデアミナーゼの測定法
著者: 黒沢侑子1 下村弘治1
所属機関: 1三井記念病院中央検査部
ページ範囲:P.135 - P.140
文献購入ページに移動 アデノシンデアミナーゼ〔EC3.5.4.4.〕(以下,ADと略)は,アデノシンのアミノ基を水酸基で置換し,イノシンとアンモニアを生成する反応を触媒する酵素である.ADは動物組織に広く分布し,カビ,細菌にも存在すると言われている5).ヒト組織では,腸管粘膜,脾,肝,肺などに分布し,特に腸管粘膜や脾では高活性を示し,肝では腸の7〜10%という報告がある1).
臨床的には,1957年Straubら6)が成人の癌患者の血清中に高率な上昇があることを認め,癌の補助的診断に応用された.その後,重症肺結核,肺壊疽,肝疾患での上昇7)や重症複合免疫不全患者の赤血球中でのAD欠損が報告1)されている.また胸水中のAD活性を測定することにより,結核性胸膜炎と癌性胸膜炎の鑑別診断に有用であるという報告もある8〜10).
臨床的には,1957年Straubら6)が成人の癌患者の血清中に高率な上昇があることを認め,癌の補助的診断に応用された.その後,重症肺結核,肺壊疽,肝疾患での上昇7)や重症複合免疫不全患者の赤血球中でのAD欠損が報告1)されている.また胸水中のAD活性を測定することにより,結核性胸膜炎と癌性胸膜炎の鑑別診断に有用であるという報告もある8〜10).
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