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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻2号

1986年02月発行

文献概要

技術講座 細菌

細菌の型別法2—ブドウ球菌

著者: 寺山武1

所属機関: 1東京都立衛生研究所微生物部

ページ範囲:P.141 - P.145

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 1980年に,細菌の分類・命名に関する一大改革が行われ,その結果がApproved lists of bacterialnames1)として発表された.この改革で,ブドウ球菌の分類は大幅な改正を受けたものの一つである.すなわち,それまでのブドウ球菌の分類(Bergey's manual,第8版)ではStaphylococcusaureus,S. epidermidisとS. saprophyticusの3種だけだったのが,一気に10菌種・4亜種が追加されて,genus Staphylococcusに13菌種・4亜種が登場したのである2).それだけにとどまらず,その後さらに新たな菌種が続々と追加され,1985年8月末現在,ブドウ球菌は表1に示した23菌種・4亜種に分類されることになり,ブドウ球菌属の分類が極めて複雑になってしまった.
 ブドウ球菌がこれほども多数の菌種に分類されることになった反面,本菌はコアグラーゼ(以下,coagと略)産生性で大きく二つのグループに分けられることが多い.coag陽性菌は現在の分類では3菌種から成り,coag陰性菌(coagulase negativestaphylococciからCNSと略される)は21菌種(一つの亜種で重複するため)にもわたっている.これほど多くの菌種に分類されることになったので,型別を検討する前にまず菌種の同定を行うことが先決である.目下のところCNSではS. epidermidisのファージ型別が行われているのを除けば,ほとんどの菌種でそれぞれに特異な型別は実施されていないのが現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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