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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻2号

1986年02月発行

文献概要

技術講座 一般

救急用尿アミラーゼ定量法

著者: 中恵一1 奥田清1

所属機関: 1大阪市立大学臨床検査医学

ページ範囲:P.146 - P.150

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 救急あるいは緊急検査の中で,血清あるいは尿中のアミラーゼ活性値の測定は,急性腹症の鑑別などに重要な情報を与える項目の一つである.アミラーゼ(α-amylase;1-4-α-D-glucan glucanohydrolase:EC 3.2.1.1.)は,デンプンやグリコーゲンなどのグルコース重合体(glucose polymer)中のα-1,4-グルコシド結合を無差別に分解する酵素で,その最終分解産物はマルトースおよびグルコースが10単位までのオリゴ多糖体(oligosaccharides)である.ヒトでは膵臓および唾液腺に由来し,血中には両アミラーゼアイソザイムが検出され,分子量は膵アラミーゼ(P型)が54,000〜55,000,唾液腺アミラーゼ(S型)が56,000〜63,000である1).尿中のアミラーゼはすべて血中から腎で排泄されたもので,膵アミラーゼの方が腎の透過性が高い2).両アイソザイムは,その作用について若干の差が認められるが3,4),免疫学的には区別ができないといわれる5)
 臨床検査におけるこれら測定法の歴史6),総説は7,8)他の文献に詳しい.現在,日常検査測定法として用いられているのは,amyloclastic法,chromogenic法およびenzyme coupling-colorimetric法が主流で,それぞれ同数の割合の施設で用いられている9)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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