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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻2号

1986年02月発行

文献概要

検査ファイル 試薬

抗グロブリン試薬

著者: 巴山顕次1

所属機関: 1スペシャル レファレンス ラボラトリー

ページ範囲:P.174 - P.175

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 抗グロブリン試験は現在クームス試験と呼ばれているが,この原理を最初に報告したのはMorechi(1908)である.Morechiは赤血球(ウサギ),細菌(チフス菌,コレラ菌)に対する抗体を肉眼的に凝集が起こらないまで希釈し,これらの希釈血清に赤血球,細菌を加えて反応させてからそれぞれを洗い,これに抗グロブリン血清(ヤギ血清をウサギに免疫した抗血清)を加えると凝集が起こることを観察した.その後,Coombs,MouranおよびRace(1945)はRh式血液型の不完全抗体を見いだすために抗グロブリン試験の方法を考案して報告した.Coombsらが報告した翌年,Boorman(1946)は後天性溶血性貧血患者の赤血球に自己抗体が結合している状態を抗グロブリン試験を用いて臨床に応用した.
 このような歴史的背景から,Coombsの業績をたたえるために考案者の名をとってクームス試験と一般に呼ぶようになった.しかし,その後の免疫血液学の研究の進歩が著しいので,免疫グロブリン,補体成分に対する抗体を用いる反応の原理に基づくと抗グロブリン試験と呼んだ方がいいように思われる.ここでは,試薬,試験ともに両方を用いることにした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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