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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻3号

1986年03月発行

文献概要

検査を築いた人びと

簡単な手技で脊髄腔内の通過障害を見いだした ハンス・クェッケンシュテット

著者: 深瀬泰旦1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学医史学

ページ範囲:P.210 - P.210

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 腰椎穿刺を行って両側の頸部を平手で圧迫すると,正常では液圧は100mm以上も上昇する.これは脊髄腔内に閉塞がなく,自由に開通している証左である.もし脊髄腫瘍,癒着性脊髄膜炎などのため脊髄腔が閉塞しているときは,液圧の変動が病巣以下には及ばず,液圧の上昇がないか,不完全である.われわれは現在,これをクェッケンシュテット現象陽性と呼んでおり,この液圧上昇現象を見いだしたのが,ドイツのクェッケンシュテットである.
 ハンス・クェッケンシュテットは1876年,ライプチッヒ・ロイドニッツに生まれ,幼い頃から物理学や数学,自然科学について高い知的能力を示していた.ライプチッヒ大学で医学教育を受け,1900年に医師国家試験に合格してから,ドレスデン精神病院のガンザー教授のもとで研究を続け,1904年に癌肉腫についての論文で医学博士号を得た.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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