icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻3号

1986年03月発行

文献概要

検査ファイル 項目

抗ENA抗体

著者: 岩田進1

所属機関: 1日本大学板橋病院臨床検査部

ページ範囲:P.254 - P.255

文献購入ページに移動
 抗ENA抗体は抗核抗体の一種で,全身性エリテマトーデス(SLE),慢性関節リウマチ(RA)をはじめとする自己免疫疾患の患者血清中に見られる.
 ENAとはextractable nuclear antigen(可溶性核抗原)の略で,細胞成分の中の核質成分の総称である(図1).この成分は生食水またはリン酸緩衝液により抽出され,非ヒストン核蛋白または酸性核蛋白抗原(nuclear acids protein antigen;NAPA)とも呼ばれている.しかしENAから核酸を除いたものがNAPAであり,必ずしも同一成分とは言い難い.これまでENAの中の抗原性をもつ核成分が主にNAPAであることから同一視されてきたが,抗原分析の進歩により塩基性蛋白抗原も存在することが証明され,これらを総称する意味で非ヒストン核蛋白と言う場合が多くなってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?