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腫瘍マーカー
著者: 真坂美智子1
所属機関: 1日本ロシュ製品技術開発センター
ページ範囲:P.260 - P.261
文献購入ページに移動1.腫瘍マーカーの概念
癌の診断には形態学的変化をとらえて診断しようとする方法(in vivo),例えばX線,超音波,CTなどの画像診断と,血液あるいは尿を採取し試料として試験管内(in vitro)で機能的変化を免疫生化学的方法で診断する方法に大別することができる.画像診断は短時間に多くの人々を検査する方法としては難点があることから,in vitroの検査方法へ関心が向けられている.この目的に沿う検査項目として各種の物質が「腫瘍マーカー」として測定されているが,癌に極めて特異的な物質から低い物質まで,また担癌状態で高頻度に出現する物質からまれにしか出現しない物質まで,種々雑多な物質が共存しているのが現状である.
腫瘍マーカーという言葉には二つの用いられ方があると思われる.第一は「癌細胞の持つ特異性を反映する物質」という基礎的研究に支えられた分野であり,第二は「特異性の有無よりむしろ癌の診断に有用性を持つ物質」という臨床的価値に支えられた分野である.前者の代表的物質が癌胎児性抗原(CEA)やα-フェトプロテインであり,後者には急相反応物質(acutephase reactant),例えばC反応性蛋白(CRP),免疫抑制酸性蛋白(IAP)などが挙げられよう.
癌の診断には形態学的変化をとらえて診断しようとする方法(in vivo),例えばX線,超音波,CTなどの画像診断と,血液あるいは尿を採取し試料として試験管内(in vitro)で機能的変化を免疫生化学的方法で診断する方法に大別することができる.画像診断は短時間に多くの人々を検査する方法としては難点があることから,in vitroの検査方法へ関心が向けられている.この目的に沿う検査項目として各種の物質が「腫瘍マーカー」として測定されているが,癌に極めて特異的な物質から低い物質まで,また担癌状態で高頻度に出現する物質からまれにしか出現しない物質まで,種々雑多な物質が共存しているのが現状である.
腫瘍マーカーという言葉には二つの用いられ方があると思われる.第一は「癌細胞の持つ特異性を反映する物質」という基礎的研究に支えられた分野であり,第二は「特異性の有無よりむしろ癌の診断に有用性を持つ物質」という臨床的価値に支えられた分野である.前者の代表的物質が癌胎児性抗原(CEA)やα-フェトプロテインであり,後者には急相反応物質(acutephase reactant),例えばC反応性蛋白(CRP),免疫抑制酸性蛋白(IAP)などが挙げられよう.
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