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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻4号

1986年04月発行

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

フィラデルフィア染色体—慢性骨髄性白血病の病態を考える

著者: 阿部達生1

所属機関: 1京都府立医科大学第三内科

ページ範囲:P.305 - P.311

文献概要

 1960年,Nowell and Hungerfordは1),二人の慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leukemia;CML)患者の末梢血から作製した染色体標本で微小な染色体の見られることを発見し,報告した.その後の検索や追試でもこの事実は確認され,CMLに特徴的なマーカー染色体であることが知られるようになった.
 当時はまだダウン症候群,ターナー症候群,クラインフェルター症候群の染色体異常が報告されているにすぎず,この時期にCMLを特徴づけるようなマーカー染色体が見いだされた意義は大きく,腫瘍細胞遺伝学に拍車のかかったことは言うまでもない.このマーカー染色体は発見されたフィラデルフィアの地名にちなみ,また腫瘍で最初に見いだされたことで,フィラデルフィア染色体あるいはPh1染色体と呼ばれ今日に至っている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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