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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻4号

1986年04月発行

文献概要

検査法の基礎理論 なぜこうなるの?

PEGとその医学・生物学への応用

著者: 玉川重徳1

所属機関: 1東京都立駒込病院臨床検査科

ページ範囲:P.312 - P.316

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 ポリエチレングリコール(PEG)が医学・生物学において利用できるようになったのは,スウェーデンのウプサラ大学教授,Ålbertsonの研究によるところが大である.Ålbertsonがこの分野の研究を始めた動機は,彼の研究の大集成として1960年に刊行した"Partition of cell particles andmacromolecules"と題する著書名でも明らかなように,細胞内顆粒や細胞成分をその生物活性を阻害することなく分画濃縮する簡易な方法が必要となったことであった.
 彼の研究が示すように,PEGは細胞成分の分画濃縮に優れたものであるにもかかわらず,一般的に利用されるようになったのは比較的最近である.それは,従来から行われている遠心分離法が理解しやすく,PEG水溶液の性質の複雑さが理解しにくかったことによると思われるが,いずれにせよ,最近利用されるようになったのは,おそすぎた感がする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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