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文献詳細

雑誌文献

検査と技術14巻4号

1986年04月発行

文献概要

技術講座 生化学

シアル酸の測定法

著者: 男沢聖子1

所属機関: 1札幌医科大学病院検査診断部

ページ範囲:P.317 - P.322

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シアル酸とは
 シアル酸(sialic acid)と呼ばれる一連の化合物を初めて結晶の形で単離したのはBlix1)で,1936年のことである.Blixは唾液腺ムチンから取り出した唾液saliva〔Sial(o):唾液,唾液腺との関連を表わす接頭語〕に由来し,sialic acidと命名した.シアル酸とは化学的にはノイラミン酸と呼ばれるアセチル誘導体である一連の化合物を表わす名称である(図1).
 炎症のマーカーとしてシアル酸がなぜ注目されるのかについて,二,三述べる.炎症の際,急性相反応物質(acute phase ractants:APR)と呼ばれるものが血清中に増加するが,この中でも重要視されるのが糖蛋白である.この糖蛋白はAPRに属して血漿蛋白中ではα1-およびα2-グロブリンに分画される物質であり,多糖類の糖蛋白にはすべてポリペプチド部分と糖質部分があり,そして,この末端にはシアル酸がついている.生体内に存在する単糖は炭素数が5〜6個のものが多いが,シアル酸はアミノ基,カルボニル基および水酸基をもった多価アルコールで,炭素数9個から構成されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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